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あれ、今何時?
わ、もう12時じゃん。
あれから、王子と二人で漫画を読んでいたら
すっかり時間を忘れてた。
「おーい、ルイ、もう部屋に戻って…って…あ」
寝てる…寝ておるではないか!!!
やけに静かだなと思ったら、
寝てたのか。
しかも、私のお気に入りの漫画を
枕にしてるし。もーう…
「おーい、起きて」
あれ、ちょっと待って。
私王子が寝てるところ初めて見たかも。
体を少し倒して
王子の寝顔を覗き込んでみた。
うわ――――…か、か、かっこいい…
しかも、美しい…きれー…
やだ、顔が熱くなってきたし。
どうしよう、ずっと見ていたい。
私はそのまま、王子の隣に横になって、
じっと寝顔を見つめた。
こんな人が彼氏なんて
いまだに信じられない。
「ルイ―…」
小声で呼んでみたけど
起きる気配がない。
もう、起きなくてもいいや。
今日は寝ないで、王子を眺めていよう。



