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「リリー」
「もー、だからノックしてってば」
ある金曜日の夜、
私は自分の部屋のベッドの上で、漫画を読んでいた。
「俺彼氏だからいいんだ」
いいんだ、じゃないよ。
「そういう問題じゃないのー」
王子は何の断りもなく、
私の横に腰を下ろすと、
横になって漫画を読む私を見下ろした。
「何ー?」
「何も」
「何か用があったんじゃないの?」
「無くてもいいんだ」
いいんかい。
「ねー、そんなにじっと見つめられたら、
漫画に集中できないんだけど」
「いつもリリーを見たいから」
は!!何でそんな恥ずかしいこと言うのー?!
「な、なに…」
王子は私の手から漫画を取り上げると
そのまま私の上に覆いかぶさってきて…
「ちょっ…」
そのままキスをしてきた。



