「唯花、注文聞いてきて」

なんか、王子が遠い人のように思えてきて
話しづらい気持ち。

「私が行っていいの?じゃあ、王子様近くで拝んでくる!」


あー、王子ってば
隣に座ってるブロンドの美女の腰に
手まわしてるじゃん…

もしかして付き合ってるのかな?


「ちょっと、莉々、めちゃくちゃイケメンじゃん!
毎日あの顔見れるなんて、羨ましい」

「うーん…」

別のこと考えてる…

なんかさ…
今まで、王子が優しくて、
私に好意的な言動ばかりしてきたから
ちょっと私、舞い上がってたかも…

王子って、イケメンでかわいくて優しんだよ。
そりゃ、彼女くらい、いるよね。


「王子の隣にいる人って、彼女さん?」

唯花がこそっと聞いてきた。

「やっぱり、そう思うよね…?」

「仲良さげだし…てか、手まわしてるしね」

「あー、あんな美女には勝てないよー」

「え、莉々って王子のこと本気で好きなの?」

「そんなことないけど」

「そうでしょ!あの美女に勝ちたいって!
それは好きってことでしょ?王子の彼女になりたいんでしょ?」