「…ん…」


「羽咲!」


「愛菜…ここは?」


「保健室だよ」


「そっか…」


「…まだ、治らないんだ…」


「うん…」


「甘い香り、がダメかぁ…」


そう。私は甘い香り、甘いものがダメなの


だ。


それも、苦手や嫌いという範囲ではない。


甘い香りがするだけで気を失ったりする程


だ。


「帰れそう?」


「うん…ごめんね…」


「バック、とってくるね。」


「ありがとう、愛菜」


普通の女子高生は、今頃は雑誌を見ておし


ゃれなカフェのきらびやかなパンケーキを


見て彼氏と行きたい、とかみんなで行こう


とか考えるのだろう。


私には出来ない。愛菜もそうやってしたい


だろうに。


申し訳ない気持ちが募る。