清水さんは教室のうしろの壁ぎわで、立ち往生していた。 「ご……ごめん。ちょっと悪ふざけがすぎたかしら。お願い、許して」 あれぇ、なにを謝っているんだろう? あたしはただ、お礼を言いたいだけなのになぁ。 あたしは清水さんに近づいて―― その両肩に、両手をかけた。 「ひいいいっ」 「しみずさぁん、ありがとう」 清水さんの肩に乗せた手は、骨と皮だけ。枯れ木のようにきれいに痩せている。 〈了〉