「では、妹尾先生。頑張ってきてください」

「はい」


今までは指導してくれる先生が付いてくれていたが、一人立ちの日がきた。

今日が教師になってからの、本当の初授業になる。


「……うわ……思ってたより緊張する」


授業を行う12HRの教室の前で、とりあえず深呼吸をする。


私一人でも授業聞いてくれるかな?

もしこの扉を開けたら、誰もいなかったらどうしようー……

って、そんなことはありえないと思うけど…こんなことを考え出したら、キリがない。

……よし、行こー……


「妹尾先生、授業に遅刻しますよ?」

「!」


心の中で気合いを入れていると、声を掛けられた。