自分の頬をつまんで我にかえろうとした瞬間、いきなり頭を凄く固いもので殴られたような痛みが私を襲って来た。




ガタンッッッ!!!!



その瞬間から


…真っ暗な所に連れていかれたんだ。


誰もいない真っ暗な場所



どこを歩いても進んだかもわからない…


私は何処にいるの?






……ら、…むら




誰?





「下村!!」




私の眼に映る白い天井と…西山の姿。




ピッピッピッ


と聞こえる機械音。




「あた…し…」



何が何だかまだ状況がうまく掴めない…



「授業中、いきなり倒れてん。
すぐに救急車で運ばれたんやけど…
今はもう夜の7時」



少し泣きそうな西山に自然と手が伸びる。



どうして泣きそうなの?


西山の頬をそっと私の手で包み込んだ




その手をまた更に西山の両手が私を暖かくしてくれる…



「もうすぐで親御さん来てやさかい…」



無理して笑ってるように見える顔が

少し私を不安にさせる。




ガラッ

「愛菜!」


泣きながら私のところへ駆け寄ってくる
お母さんとお父さん


「な…んで…泣いて…るの?」


「愛菜…愛菜!!」



私を何度も呼ぶ声が耳から離れない。



西山も、お母さんもお父さんも
そんなに泣く事ないじゃない。


倒れただけだよ、心配性なんだから…。


私は元気だよ


「先生、ちょっと良いですか?」


お父さんが西山を外に連れて行く。


起き上がれない私はその二人の後ろ姿をただ見ていた




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