「あんたらに分からないでしょ!?」

「お前みたいな奴をわかりたくもない、出て行きたいなら出て行けばいい。」

そんな会話を両親とした。

これが2ヶ月ぐらい前。

いろんな人の所を転々として、

いろんな事をしてきた。

掲示板で知り合った男の家に行ったり、

ネカフェに泊まったり、本当にいろいろ。

掲示板で募集して、

それで会った男からお金を貰って

ヤることやったらバイバイ、なんてこともよくある。

いわゆる援助交際ってやつだけど、

私を買ったほうが悪い。

罪に問われるのは私じゃないんだから。


「カナちゃーん、もう会うの3回目だけど…そろそろ本名とか教えてくれない?」

今日、確かに会うのは3回目だけど、

私は名前も覚えてないその男はそう言った。

「うーん…気が向いたら、ね。」

''カナ''は、募集する時に私が使う名前。

本名は『新堂 茜(しんどう あかね)』。

年齢だって21って言ってるけど、

本当はもうすぐ17。

大人っぽく見えるから助かってる。

「前もそう言ってたじゃん?まぁいいんだけどさ、メールでやり取りできるし。」

裸のままベッドに寝転び、

服のボタンを閉める私にそう言う。

教えるわけがないじゃないか。

そんなことして調べられたら、

本当の年齢も知られてしまうかもしれない。

貴重な金ヅルを逃したくない。