「チャンスなんかある訳ないじゃん」 「え~……何で? 私のこと好きじゃないの?」 「莉愛のことは好きだったよ…… でも今は過去形だから」 どうやら昔の彼女さんは、莉愛(リア)さんって言うらしい。 腰まである長い黒髪は耳にかけられ、羨ましいほどに小顔。 黒猫のように謎めかせる切れ長な瞳。 大胆に露出した肩からは黒の紐が見えていて、女のわたしでもドキッとしてしまうくらいに、大人の余裕を感じる。