「あのさ、俺は言っとくけど恋はしない主義なの」 「どうして? 誰かに恋したことないの?」 一瞬だけ、地面に俯くと遠くを見つめるような瞳を見せた。 「あるよ」 「……っ、」 ……あるんだ。 いや、あるよね……。 たくさんの人を落としてきたんだろうな、今まで。 知りたいけど聞きたくなかった。