もしも、わたし…… 八乙女に助けてもらってなかったら。 どうなっていたのかしら。 きっと誘拐されてたよね。今ごろ。 怖くて身動きが取れない状態だったから…… 本当に助かった。 感謝しなきゃ。八乙女に。 もう一度、お礼がしたい。 「八乙女」 「はい? 何ですか?」 歩く足を止めるわたしに、不思議そうな八乙女。 首を傾げるなんて…… どこまで、わたしを振り回すのよ。