小悪魔執事と恋ゲーム





ベタベタと触れては絡みつく手。



でもその手を八乙女は、一切振り払おうとはしなかった。



ただ笑いながら見つめているだけ。



どんなに隣でわたしが視線を送っても、お構いなしに女の子たちの相手を続けてる。



ねぇ……。



どうして、こっち見てくれないの?



このゲームに勝つためなら。



誰だって……いいのね。



そんなこと。最初から分かりきって、はじめた駆け引きなのに。



わたしに見せてくれた笑顔もウソ。



ぜんぶ落とすための罠なんだって。




そう思うと、強く胸が締め付けられる。



……どうしてなの?



こんな八乙女、好きじゃない……っ。