「私は、新しくお嬢様の執事になる八乙女凛久です。 どうぞお見知りおきを」 状況を理解していないわたしのことなどお構いなしに、彼はいきなり自己紹介を始める。 新しく務める執事…… ですって? 待って……待って……!! たしかにうん。 納得は一応したよ? したけれど……。 「いくら……執事でも! わたしの部屋に無断で入るなんて……っ」 マナーがなってない! 「あ、ダメでした?」 普通は……ダメに決まってるでしょ!! なんで、そんな冷静でいられるの? もう意味が分からないわよ……。