肩より下まであるふんわりとした黒髪。 むせ返りそうなほどに、甘く香るシャンプーの匂い。 窓の月を眺めるミステリアスな横顔。 ……何だろう。 これは、ギャップってやつなのか? あまりにも昼との雰囲気が違く見えて、不覚にも目を奪われる。 やっぱり。 彼女は清楚に溢れたお嬢様なんだと。 自分とは住む次元が違うことを、あらためて思い知らされるようだった。