そう疑問に思うなか…… 彼は一言も喋らず、まるでノーリアクション。 それどころか涼しい表情を崩すことなく、ただこちらをじっとを見つめているだけ。 えっ……なに……? なんなの、この非現実的みたいな状況は。 どう反応したらいいのか…… すごく困るんだけど。 もしかして、まだ。 わたし夢から覚めて……ない? 「い、いひゃい……っ!」 強くつねった頬っぺたには、ちゃんとヒリヒリとした鋭い痛みがある。 ………ということは。 これは正しく夢なんかじゃない。 ちゃんと現実の世界だ。