家の間取り図が描かれた紙を、ポケットから取り出した。 ……ここを右か。 もう一度ポケットに紙をしまってから、右の道に進んでは一番奥の部屋までと向かう。 歩いても歩いても、どこまでも長く続く廊下。 白いドアが目印なはずなんだけど…… お、あったあった! たぶん。 ここの部屋で間違いない。 「穏花お嬢様。 八乙女です」 2回ほどノックしてから、ドア越しに話しかけてみる。 でも穏花の声は聞こえてこない。 なんだよ……急に手強いな。