「美容にこだわらず、そのままでも魅力的なんてお見事ですね」 珍しく八乙女が褒めて……る。 何なの……? この胸の奥が熱くなるような感覚は。 「んーっ、美味しい!」 ちがう。 「お口に付いていますよ」 ちがう。 この人に恋は絶対ありえないっ!! というか、したくない……。 「ごちそうさま」 「おや……? もうお食べになられなくていいのですか?」 一刻も早く、八乙女が居るこの空間から逃げたい。 だってまるで…… わたしがわたしじゃ無くなるんだもの。