「本日のディナーはデミグラスハンバーグ、野菜サラダ、マンゴーゼリーです」



説明と共に並べられる豪華なメニュー。



今夜のディナーだ。



これも八乙女が作ったのかしらね?




「穏花お嬢様は、オカズから食べる方なのですね」


「へ、? 何か問題でも?」


「いえ、別に。 ただ野菜からお先に食べた方が、美容にも宜しいかと思いまして」


「その気遣いは嬉しいけど、わたしあんまり美容とか興味ないから」


「へぇ、それは意外です」




昔から美容にこだわったことは無かった。



お母様に『恋をしたら女の子は綺麗になるのよ』なんて、よく教えてもらったけれど。



その恋を今もしたことがない。