「ハァ。 いいか、よく聞け」
「ふぎゅっ……!」
綺麗な手がわたしの顎をクイッと持ち上げる。
悔しいほどに、見下ろす表情もカッコよすぎて……
また心臓を奪われる。
「穏花を手放すくらいなら死んだ方がマシだから」
「んん……っ!?」
いきなり八乙女の顔が近づくかと思えば、今度は唇を甘く奪われた。
そのせいで熱っぽくなる頬……。
いつまで経っても八乙女からのキスは慣れず、目を開けたまま赤面していると
「フッ。 まぬけな顔」
そう意地悪な笑顔で、笑われてしまった。
でもそのイジワルな笑顔が、今日はいつもの何倍も愛おしくて。たまらなくて。
不覚にも少し涙ぐみそうになる。



