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「……──か」




ん……。



誰かに呼ばれてる。



薄らと目を開けてみるけど、視界がボヤけて顔が見えない。



……あなたは、誰?




「穏花。 いい加減に起きて」




だんだんと近くなる声。



ハッとなって、思いっきり目を開かせてみれば



覗き込む八乙女と至近距離で目が合う。



それもまるで初めて出逢ったあの日みたいに。




「八、乙女っ!? ……本当に?」 




それともこれは夢?



ついにわたし、夢の世界までさまよっちゃったとか!?