驚きのあまり眉を上げると、
「穏花、抱え込まなくていい。
全てはパパに責任があるんだ」
穏やかな笑みで微笑まれ、胸がキュッと締めつけられる。
「お父様……。」
「今までずっと使用人に任せっきりで、穏花には苦労ばかり散々背負わせてきただろう? せめて寂しい思いだけはさせないようにと雇ったのが彼だった」
椅子から立ち上がると、お父様は窓の外をじっと見つめる。
「年も離れてない彼は良き話し相手になって、よく働いてもくれた。 むしろ彼には感謝しているんだよ。 穏花の笑顔を取り戻させてくれた恩人だからな」
知らなかった……。
八乙女のことをそんな風に思っていたなんて。



