何か隠し事でもしてるのかしら? 悪いことじゃなければ……いいのだけど。 そう考えていると突然。 紅い薔薇がわたしの足元に一輪だけ落っこちて、思わずドキリとする。 え……。 た、たまたま……だよね? こんな時まで八乙女に結びつけるのは、どうかしてると顔を横にブンブン振る。 しっかりしなきゃわたし……。 まだ胸に残るモヤモヤを強制的に振り払うと、外階段をそそくさとかけ上がっていった。