「……っっ、移っても知らないんだからね!!」 八乙女なんて風邪で寝込んじゃえばいいんだわ。 そしたら大人しくなって、少しはちょうど良くなるでしょ? 「そうですね。 それでお嬢様が楽になられるなら。 わたしに移してもいいですよ?」 「もう寝る……っ!」 顔が見えなくなるくらい布団をかぶると、クスクス笑う八乙女の声がまだ耳元に入ってきて…… これでもかというほど背を向ける。 普段でさえ勝てたことないのに、風邪で弱ってる今じゃ尚更勝てるはずないんだ……。