「本当なら俺だって今すぐ奪いたいし。 
 穏花の初めてがぜんぶ俺であって欲しい」




たぶん今わたしの顔は、八乙女のせいでぶちゃいくだ。




「──けど、ここで大人扱いしたら
 俺の方が止められなくなる絶対……。 
 だからまだ今はキスでおあずけな。
 穏花のこと、ちゃんと大切にしたい」




珍しくまともなこと言ってるのに、未だにほっぺたは離してもらえず……。




「はだちてっ!」




思いっきり、キッと睨みつけてみる。




「フッ。 可愛すぎて、どうにかなりそ」




でも効果は全くゼロ。



どころか、わたしの弱い甘い笑顔を向けてくる。



もう……反省してないないんだから。