「あぁもう無理……限界。」 「えっ?」 後ろを振り向いた時にはもう遅く。 八乙女の顎に視界を支配されると、オデコにキスが降ってくる。 そのせいで、わたしの体温はまた上昇。 クラクラと目眩までしてきた。 次第に体にも力が入らなくなって、顔半分が泡に溺れかけていると── 「おっと、」 わたしは胸板辺りに寄りかかっていた。 不思議になって見上げてみると、真剣な顔をする八乙女と目が合う。 そうか……。八乙女に支えてもらったから溺れずに済んだんだ。 意識がぼんやりとしながらも大いに納得する。