「とりあえず今日はホテル代やるけど、
 新しい家ちゃんと探せよ。」


「ありがとう…… 
 じゃあ、私そろそろ行くね!」




玄関先まで彼女を見送る。



これで最後、か。




「あぁ。 気をつけてな」


「うん! りーくんも元気で」




今笑っている彼女の笑顔は、どこかスッキリしたようなそんな笑顔で、俺も安心して見送ることが出来る。



──さよなら。



これでもう、俺たちは解放されるんだ。



長年の未練から。やっと楽になれる。



今までありがとな……。



そしてドアが静かに閉まると、俺は一つため息を零した。




「早く穏花とも仲直りしなきゃな……」