曇っていた心にヒカリが差し込んだみたいに、苦しかった気持ちが楽になって。 支配されていた愛の鎖が、ようやく解かれていく。 もう後悔は何もない。 「ねぇ、凛久?」 「なんだよ、急に。」 名前で呼ばれるのって、あんま慣れてないから変に戸惑う。 執事で居る時も“八乙女”だしな。 「幸せになってね。」 思わず、笑みが溢れる。 「フッ。 お前もな」 「うん……」 縦にコクリと頷く彼女の目は、優しい顔をしていた。 今の方がいいよ。莉愛は。