「どうかしたー?」 お店を出ると、神代さんは不思議そうに見つめていた。 それはきっと わたしがやけに静かだから。 だめだめ! 今はなるべく余計なこと考えないようにしなきゃ。 神代さんとの時間を楽しむんだ。今日は。 「何でもないです……っ。 早く行きましょ!」 八乙女とは反対方向に神代さんの身体をくるっと向けて、そのまま背中を押しながら歩き出す。