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ーー季節は夏真っ只中の7月。



携帯の着信音に気づいて、ゆっくりと瞼を開かせる。




「ふぁ~……。」




ただでさえ、夏の朝はジットリした蒸し暑さだというのに。



蝉の鳴き声が、またよりいっそう暑苦しく感じさせるのだった。



まるで溶けたアイスみたいに身体がぐったりとして、起き上がるだけでも気だるく感じる。



出来れば、あんまり動きたくないのが願いだ。