その人はダークブルー色のスーツに身を包み、黒の髪の毛が誠実そうな雰囲気を漂わせていた。
時計を気にしている仕草を見ると、誰かを待っているところだろうか。
もしかしたら、プロポーズ……!?
きゃあ~っ!ロマンチック!!
しばらく玄関で立ち止まって見入っていると、その男性がこちらに気づき。
なぜか椅子から、そっと立ち上がるのだ。
気がつけば、見上げるほどまでに距離は縮まっていた。
「……穏花さん?」
え……う、う、うそっ?!
この人が約束していた……神代さん!?
てっきり、高校生の男の子だとばかり思い込んでいたわたしは、予想外なことに戸惑いを隠せずにいた。