ダメだなぁ、俺。



穏花に完全にハマってる。



必死にニヤけた顔を包み隠すのが、やっとのことだ。




「行動だけは素直ですね。 穏花お嬢様?」


「はぁー? 八乙女の勘違いよ、勘違い」




意地っ張りなとこも可愛いよなんて。



相当な重症かよ、これ。




「それで……部屋に戻るんでしょ? 
 早く出て行きなさいよ」


「あぁ、そうでしたね」




俯いてるの、隠してるつもり?




「やっぱりやめた」


「キャっ!?」




――ドサッ



華奢な手首を両方とも掴みながら、ベットに投げ倒す。



可愛い声…出してんじゃねぇよ。