「ちなみにお部屋の荷物が整理されていました」
久東の言葉に返事も返さないまま、わたしは大急ぎで3階の部屋へと向かう。
広い廊下を走っては、また走る。
朝早くから荷物を整理するなんて、絶対におかしい。
嫌な予感が頭を過っていた。
「八乙女っ! ちょっと入るわよ!」
勝手に部屋に入るのは気が引ける……
から一応、言って入らないとね。
「嘘……」
本棚に飾られていた本。
机に置いてある観葉植物。
壁に立てかけられていたベース。
何もかもが空っぽに無くなっている。
まるで……
八乙女が来る前の状態に戻ったみたいに。



