「あれ? 八乙女は? まだ起きてないの?」 いつものようにリビングに入っても、そこに八乙女の姿はなかった。 居るのは執事の久東(クトウ)だけ。 珍しいわね。 時間に厳しい八乙女なら、とっくにもう料理をしているはずなのに。 それとも寝坊でもしてるのかしら。 「八乙女さんでしたら、朝早くにお出掛けなされましたよ」 「……お出掛け?」 そんな早くに? わたしを放っておいて、出掛けて行くなんて考えられない~……。