小悪魔執事と恋ゲーム





華やかなシャンデリアの下。



一流オーケストラの演奏を聴きながら食べる、リビングルームでの朝食。



とても優雅な時間。



……なはずなのに。



いっこうに食事が喉を通らない。



「どうされたのですか? 先程から、お食事が進んでないように見えますが」



そんなのは全部、八乙女のせいよっ!



この状況がまったく今も。



なにひとつ把握できていない。



目覚めた瞬間。



いきなり知らない執事がいて、じっと見つめられるとか……。



もう怖いったら、ありゃしない。



こんな状況で誰も食事の気分になんてなれないわよ。