手紙 ーだいすきなキミへー

廊下の窓側の方に移動して、幼なじみと約10年ぶりの会話を少しした。

私がこの高校に入学することになった経緯を話すと昴は「頑張れよ」と、寮での生活を応援してくれた。

「このクラスにも何人か幼稚園の頃の奴いるから学校生活は安心だぞ」

「あ、そうなんだ。よかった!」

自分のクラスを確認してから、他の人の名前をあまりちゃんと見ていなかったから気づかなかった。

でも、それならとても安心できる。

「じゃ、またあとでな」

「うん、引き留めてごめんね。またね」

昴と別れて再び教室のドアに手をかけ、今度こそ教室に入る。

さっきとは違って落ち着いた状態でいることができた。

昴の言う通りに教室の中に幼稚園のときに仲良くしていた子たちが何人かいた。そしてその子たちとも再会を喜び合った。