手紙 ーだいすきなキミへー

入学式当日。

緊張しながら、クラス表に表記されていた自分のクラスの教室のドアの前に立つ。

仲いい子ができると嬉しいな…。よし、行こう!

そして私がドアに手をかけて開ける前に、突然ドアが開いた。

「あ、すいません」

教室の中の方から開けたらしい男子が私を見て謝る。

「い、いえ…!」

焦るがとりあえず少し横に避けて彼が出られるようにする、が…。

あれ…?

「ん、文香…?」

彼は私の名前を呼んだ。そして、私はやっぱりだ、と思った。

「昴だよね!」

「おお、久しぶりだな!びびった、お前戻ってきたのか」

「久しぶり、ただいま!」

彼の名前は織部昴。この町に住んでいた家のお隣さんで、私の幼なじみだ。