手紙 ーだいすきなキミへー

何も話さずにお互いの手紙を開けた。

だけど私は昴の手紙を見て思わず笑みをこぼしてしまった。

「もう、相変わらずだね」

だってそこに書かれていたのは『これからもよろしく』というたった一言。

「苦手なんだよ、手紙って…」

「いや、十分だよ!」

たった一言が私の心を埋め尽くす。十分伝わってくる、嬉しい言葉だ。

少しして昴が私の書いた手紙を読み上げた。

「…女子って手紙書くのうまいよな」

そういった昴はあの日のように顔が真っ赤だった。そして顔を赤くしたまま私の方をみて、くしゃっと笑って見せた。

思わずドキッとしてしまう。

「…好き、大好き。その幼稚園の時から変わらない笑顔も全部!」

「は?なんだよ、幼稚園から変わらないって」

あ、言っちゃった…。

だけど昴は笑って「その言葉、そのまま返すわ」と言った。

「俺も大好きだ、くしゃってなる文香の小さい頃から変わらない笑顔も全部」



私たちはふたりで真っ赤な顔をしながら笑い合った。


end*°