手紙 ーだいすきなキミへー

公園には誰もいない。私たちふたりきりだけだ。

ブランコに並んで座る。

静かな空気が流れる。

「…今日、1年だな」

「そ、そう!ちゃんと覚えててくれたんだ!」

「当たり前だろ」

昴は笑ってそう言った。なんとなく、昴は記念日とか疎そうだったから…。

「改まって、こんなんもなんか恥ずかしいんだけどさ」

そう言いながら鞄をごそごそと探る昴。

「…はい」

と、差し出してきたのは白い便箋。

私はハッとして、自分の鞄から用意してきたものを取り出した。

「同じだ!私も書いてきたの」

私のはクローバーの柄の便箋。

「考えること、同じだったな」