「…う、嘘だ!だって好きな人いるって…」

「だから、それは文香のことだよ」

わ、私のことだったの…?

「俺、本当は幼稚園の頃も文香のこと好きだった。それでこの前再会して、あの頃と変わらない文香を見てて…」

幼稚園の頃もって…その時もちゃんと両想いだったんだ。

「それと、あの手紙だって…本当は俺が出したんだ」

あの手紙を出した人が昴?

「え、だってちがうって言ったじゃん…」

「だって…名前書き忘れたと思ったら、文香が色んなやつに聞いて回ってるから…。言いづらくなったんだよ」

あの時、恥ずかしくて昴に聞くのを最後にしたから…。

「……正体もわからない手紙の送り主のこと考えてるとか…なんか気に食わなくて、この前もさっきも『どうでもいいだろ』って言っちまったんだよ」

「じ、自分じゃん、送り主…」

「確かに俺だけど、文香の中じゃ俺のことじゃなかっただろ」

そういう昴の顔はこの前の比じゃないくらいに真っ赤だった。

そして思わず笑ってしまった。自分に嫉妬してたんだ、私も昴も。

「笑ってんじゃねーよ」

今度は私が昴に睨まれてしまった。



ああ、なんだか愛おしい。



「私も…昴のことが好き。今も幼稚園のときも!」