手紙 ーだいすきなキミへー

「本当に、もうどうでもいい話だろ?」

「そんなムキにならなくたっていいじゃん」

「ガキの頃の話だ。文香だって、もうそんな手紙捨てたらいいじゃないか」


なんだか、よくわからないけど怒りのような、悲しみのような感情が湧き起こった。

「昴に関係ないじゃん、あの手紙は私の大切な思い出なの。どうでもいいとか、言わないでよ」

キッと睨みつける。

「な、なんだよ。てか、最近の文香おかしいぞ」

「うるさい!」

誰のせいだと思ってるのよ。

なんて心の中で八つ当たりをする。

千波に「ごめん」と声をかけて私は席を立って教室を出た。

「おい、文香…」

私はこの前のように昴の前から逃げた。

だけど、少しすると後ろから「文香!」と昴の声が聞こえた。

えっ、なんで追いかけてくるの?

私は思わず走って逃げた。