魔法嫌いなキミに、あたしは魔法をかける。

「そうかな?」


リリーは少し照れくさそうに笑った。


本当に、心の底からうらやましいと思っている。

だって、私にはリリーのように本音を強く言う勇気がないから。


……だからあの人を止めることもできなかった。

あの人は、ここから消えてしまった。


「でも、マーガレットは本当に合格する気でいるんだよね?

ジギタリスの肩を持つ気はないけど……本当にそれは限りなく不可能に近いと思うよ」

「うん…。
それはわかってる。

でも、どうしても合格したいの。


だって、合格しないと、この町から出ることはできないでしょ?」

「そりゃあそうだけど……」


そう、あたし達が住む町……イロンデルでは、基本的には学園を卒業しない限り、町の外へ出ることはできないのだ。

もちろん、例外もあるけれど……。