「見苦しい言い争いはおよしなさい」

三年生の女子生徒が、ジギタリスとリリーに注意した。

この人は……。


「プ、プルメリアさん!」


それまで虚勢をはっていたジギタリスが、急におどおどし始めた。


プルメリアさんは、三年生にもかかわらず、今回のテストで合格する最有力候補だといわれている。

そのくらい、彼女はジギタリスとは比べものにならないほど、天才なのだ。

おまけに、彼女の家族は全員天才的で超一流の魔法使いばかり。

学園でも町でもかなりの有名人で、彼女の家の名前を知らない者はいないほどだ。


「合格、不合格など関係ありません。

大切なのは、一生懸命努力することです。
あなたも、少しは彼女達を見習ったらどうですの??」

「す、すみません………」


ジギタリスは、弱々しくプルメリアさんに頭を下げたのだった。