リリーが、ジギタリスに強く言う。


「僕は大丈夫。

何故なら、僕は天才だからね。
できないことなんて、ないのさ。

だから練習なんてしなくとも、僕はテストに合格する。

天才だからね」


得意そうな顔で眼鏡をかけなおし、やたらと“天才”という言葉を強調してくるジギタリス。


「そう、あなた天才なの。

だったら、去年のテストで、どうして合格できなかったのかしらねぇ?」

「そ、それは……」

リリーの言葉に、ジギタリスは言葉を詰まらせる。


「とにかく、僕は天才なんだ!君達とは、ワケが違うんだ!」


ジギタリスが大声で言ったそのときだった。