ジギタリスが、上級生に隠れて隅のほうで練習をしていたあたしと、親友のリリーに絡んでくる。


「あら。
合格できるかどうかは別として、クリスマスのテストは学園の人だけではなく、町の方々も見にきてくださるのよ。

下手な魔法は見せられないわ」


リリーは、凛とした態度で、そう返した。


「へぇ、確かに話の筋は通っているね。

だけど、そっちのほうはどうかな?」


ジギタリスはあたしを指差して、こう続けた。


「マーガレット、君はリリーとは違う理由で魔法の練習をしているんだろ?」

「あたしは………」


そう、あたしはリリーとは違う。

上級生達のように、合格したい一心で練習をしている。


「ジギタリス、あんたいい加減にしなさいよ。

マーガレットがどんな理由で練習していようが、あんたには関係ないじゃない。

そもそも、あんたさっき私達のことを二年生のくせにとか貶していたけれど、あんただって私達と同じ二年生じゃない!」