テスト前日。

一年生や二年生の生徒は、合格なんてできっこないから、そんなに緊張した様子ではない。

しかし、三年生と四年生と五年生の間には、ピリピリとした空気が流れている。


三年生や四年生は、テストに合格することができれば、町の人達から高評価をもらえて、さまざまな仕事をもらえるから。

五年生は、このテストで合格しないと、春に行われるテストで合格しない限り、学園を卒業することができないから。


みんな学園の中庭で、魔法の練習をしている。


そんな様子を見て、一人だけ余裕そうな顔をしている男の子がいた。


「ははは、上級生サマ達は大変そうだな。
まあ、僕は魔法の練習なんてしなくても、合格できるけどね」


そうやって魔法の練習をしている上級生達を貶すのは、私と同じ二年生で、同じクラスのジギタリス。


「君達も、テストに向けて魔法の練習かい?
二年生のくせに、学園長から合格をもらえるとでも?」