本来暗いはずの夜空は、魔法のイルミネーションでキラキラと七色に輝いて見える。

紫色の月が、あたし達を見下ろしている。


もうすぐ、クリスマス。


クリスマスには、たくさんの魔法学園の生徒たちにとって、大切なイベントがある。


町のシンボルであるツバメの像の前の広場に集まり、町のみんなにこれまでの特訓の成果を見せるのだ。


そこには魔法学園の先生や学園長なども来ていて、

学園長に認められた生徒は学年に問わず、一人前の魔法使いとして学園を卒業することができるのだ。


といっても、卒業が認められるのは最高学年である五年生がほとんどだし、

一年生や二年生の生徒が、これまで卒業することができた者は一人もいない。