魔法嫌いなキミに、あたしは魔法をかける。

「町から出て、何かしたいことでもあるの?

仕事?夢?」


「それは…………」


リリーにたずねられ、焦る。

あたしは、どうしてテストに合格して、この町から出たいのか、リリーに話したことは一度もない。


「さがしもの、かな………」


私は小さく、そう答えた。