「わッ」 もう遅いと分かっていながら、あたしは両手で口を塞いだ。 やば! コイツ超ー地獄耳‼ 『お前ら…… 戻ってこーい‼』 そう言って先生は電話を一方的に切った。 ……そして残された服も髪も乱れたあたしと琥侑は、顔を合わせる。 「あ……たし、シャツ……取って来るね」 「……お……おぉ」 のそっと起き上がって風呂場へと向かう。 そんなあたしに戸惑いながら琥侑は返事する。 カチャリと、静かな部屋に扉の音は虚しく響いた。