……しょーがねぇ


「おいヒメ」



俺は名前を呼んで、ヒメの腕を引っ張った。

ヒメは驚いたように、目を見開いている。



「っ何!?ど、どうしたの!?」


「いや……別に大した事じゃねぇんだけどよ……」



俺がヒメに視線を落とすと、ヒメは眉を垂らして潤んだ瞳で俺を見る。


やべ、可愛い。

……まぁ今はそんなことどうでも良いいか。



「お前なんかあった?」


「へっ!?なななんで‼‼」



ヒメは動揺したように目をグルグルと泳がせる。



「この間の祭りから様子ヘンじゃね?なんかあった?」


「そ、それはっ!……その~……あの~……」



困ったように俺から逸らそうとするヒメの顔を、両手で押さえ阻止する。