「あ、あの、さ、愛美......」
「莉子ー!! 愛美ー!!」
私が愛美に、男子コートに応援に行こうと言おうとしたら、同じチームの女子に大声で呼ばれて振り返った。
男子コートの方からチームの女子たちが私達に手招きしている。
「何してるのー? 男子の試合、始まるよー!!」
女子が口に手を当てて声を張っているけど、周りの騒がしさに埋もれている。
愛美は、ストレッチの手を止め、私を見た。
「まぁ、やっぱ行くべきだよね」
愛美が苦笑する。
「あの女子の群れに入るのは気が引けるけど、男子の応援しないとなんか罰が当たりそうだしね」
愛美の言葉に、私は胸を撫で下ろした。
そして、一気に鼓動が弾みだす。
「しょうがないね。行こうか」
なんて。
嬉しさが表に出ないように言ったけど、内心は、小さな私がピョンピョン飛び跳ねて喜んでいる。
コウちゃんの試合見るの、久しぶりだな。


